抄録
ショウロ菌糸体の生育を促進する子実体由来細菌として,Paraburkholderia fungorun GIB024,Caballeronia sordidicola GIB028およびJanthinobacterium agaricidamnosum GIB029が同定されている.本研究では,寒天培地で育成したクロマツにおけるショウロ菌根形成,クロマツ生育量,さらには,マツ葉の黄色化に及ぼす子実体由来細菌の添加効果について調査した.3種の子実体由来細菌は,クロマツにおける菌根形成を促進することが判明した.一方,子実体由来細菌を添加するとクロマツ根の生育量は増大したが,ショウロ菌と共生しているクロマツ根ではその添加効果は認められなかった.一方,クロマツ葉の黄色化率を調査したところ,ショウロ菌を接種すると黄色化率が抑制され,その抑制効果は,GIB028またはGIB029を添加すると強化された.これらの結果から,子実体由来細菌はショウロの菌根形成を促進するヘルパー細菌であること,クロマツ根の生育を促進する効果を有すること,菌根を介してのストレス耐性の増強に関与していることが判明した.