2020 年 22 巻 4 号 p. 345-349
近年,計算機の発展に伴い生体分子のような巨大分子に関しても,非経験的な量子化学計算が実行されるよ うになってきた.中でもフラグメント分子軌道(FMO)法は,計算対象を比較的小さなフラグメントに分割 することで計算量を大きく下げることに成功し,様々な応用研究に利用されている.これまで国内を中心に, FMO 計算可能なプログラムの開発が進められてきたが,本稿では,著者らによって開発されている PAICS に ついて,その機能や応用研究例などを紹介する.