マイコトキシン
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IUMS 2011における第XIII回国際菌学会議のプロシーディングス
大麦および小麦の赤かび病かび毒蓄積特性に基づいた薬剤散布適期の解明
吉田 めぐみ中島 隆
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2012 年 62 巻 1 号 p. 19-27

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抄録
 麦類の赤かび病によるかび毒低減対策として,特に麦の生産段階における適切な薬剤散布が重要である.従来,大麦の赤かび病防除適期は小麦の例に倣って開花期(またはほぼ同時期に相当する穂揃い期)とされてきたが,改めて検討した結果,閉花受粉性の二条大麦では,開花10日後頃の「葯殻抽出期」が赤かび病およびかび毒蓄積に対し急激に感受性が高まる時期であり,薬剤散布適期であることが明らかになった.また小麦では,登熟期間後半(開花20日後以降)に,穀粒中のかび毒蓄積量の大幅な増加が起こることが明らかになり,小麦のかび毒汚染低減には,開花期頃の感染抑制に加え,登熟期間後半のかび毒蓄積抑制が重要であることが示唆された.
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© 2012 日本マイコトキシン学会
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