マイコトキシン
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原著論文
タモキシフェンによるアフラトキシンB1誘発ラット肝癌由来K2細胞のアポトーシス誘導過程にはDNase活性を有するヒストンH10断片が関与している
川崎 靖安達 尚美田村 勇米納 孝飯田 直幸秋山 弘匡杉山 晶規田代 文夫
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2014 年 64 巻 2 号 p. 117-139

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抄録
  TAM誘導アポトーシスで生じる17-kDaのヒストンH10N末端領域(17-kDa H10NTR; Thr2 – Phe107)はDNase活性を有しており,その活性には25と57番目のヒスチジン残基が必須であった.TAMにより,Ca2+の細胞内流入が惹起され,この下流でCa2+依存性のプロテアーゼであるカルパイン-2が活性化される.さらに活性化されたカルパイン-2によってヒストンH10が限定的な切断を受け,DNase活性を有する17-kDa H10 NTRが産生され,クロモソームDNA断片化を介してアポトーシスを誘導した.さらに,17-kDa H10NTRの強制発現はTAM誘導アポトーシスを増強する,一方RNA干渉によるH10の発現抑制はアポトーシスを抑制した.これらの結果は,17-kDa H10NTR DNaseがTAMの細胞死シグナル伝達経路の下流で重要な機能を果たしていることを示すものであり,ヒストンH10の生物学的な役割の新たな一面を明らかにすると共に,TAMはアフラトキシンB1によって引き起こされる肝発癌の予防薬や肝癌の治療薬として有用であることを示している.
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© 2014 日本マイコトキシン学会
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