抄録
我が国の家畜用飼料の主原料として海外から輸入されているトウモロコシやマイロなどの穀類は,輸入先国における気候状況の影響等により,家畜や人の健康に悪影響を及ぼす「かび毒」を含有する場合があります.
農林水産省は,乳や肉等の畜産物食品を介した人の健康保護を図るため,これらのかび毒について,飼料の基準値を設定し,基準値を超過した飼料を流通させないよう事業者を指導するとともに,汚染実態調査を行い,基準値の遵守状況を常に監視しています.
今回は,「アフラトキシン(AF)B1の乳用牛用配合飼料の基準値」を事例とし,国際的な考え方に基づく飼料の基準値の設定方法など,農林水産省が実施している飼料中のかび毒に関するリスク管理について紹介します.