2011 年 100 巻 4 号 p. 945-949
肥満高血圧の昇圧機序には,血行動態,内分泌因子,そしてアディポサイトカインの異常が関与する.病態の中心には,これら諸因子の異常に起因するインスリン抵抗性が位置し,治療を考える上でも肥満の是正と共にインスリン抵抗性を改善する降圧薬を用いることになる.インスリン抵抗性を改善する降圧薬としては,ARB,ACE阻害薬,α遮断薬,Ca拮抗薬があげられるが,ARB,ACE阻害薬を中心に薬剤が選択される.本邦においてもCASE-Jにおいて肥満高血圧におけるARBの有用性が示されている.