2018 年 107 巻 4 号 p. 696-702
睡眠時無呼吸症候群は,内分泌性・腎実質性に並び,頻度の高い二次性高血圧症の一因であり,本態性や他の二次性高血圧症に合併することもある.本症は高血圧発症に加え,脳心血管イベントのリスクとなり,その背景には,昇圧系神経液性因子が関与する夜間早朝高血圧や血圧変動性の増大が示唆される.高血圧症を呈する本症の治療は,減塩・減量に加え,血圧変動性に配慮した投薬等の介入,適応例にはCPAP(continuous positive airway pressure)が有用である.