2022 年 111 巻 1 号 p. 36-42
肝炎ウイルスの減少に伴い,アルコール性肝硬変は肝硬変の中心的な原因となりつつある.診断において,飲酒量を客観的に評価する糖鎖欠損トランスフェリン(carbohydrate-deficient transferrin:CDT)が測定可能となり,総トランスフェリンとの比によって算出される%CDT値が用いられている.治療では禁酒が第一の目標とされてきたが,達成が困難であり,最近ではハームリダクションの概念の下,飲酒量の低減を目的とするナルメフェンを用いた治療が進められている.