2022 年 111 巻 12 号 p. 2461-2468
48歳,男性.多発性骨髄腫の経過中に重篤なネフローゼ症候群を併発し,腎生検でAHL(immunoglobulin heavy-and-light-chain)アミロイドーシスと診断した.自己末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を施行し,骨髄腫は最良部分奏効が得られ,ネフローゼは緩徐に改善した.敗血症併発後血液透析導入となったが,1年半経過後も生存している.AHLアミロイドーシスは極めて稀な疾患であり,治療のエビデンスに乏しいが,ALアミロイドーシスと同様の治療が有効な可能性がある.