農研機構研究報告
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2章 稲作における放射性セシウムの動態と吸収抑制対策
玄米の放射性セシウム濃度を低減する試み
藤村 恵人
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2021 年 2021 巻 8 号 p. 69-75

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抄録

2011 年3 月11 日の東京電力福島第一原子力発電所における事故により拡散した放射性セシウムによる玄米の汚染を 抑制するため,被災地では①作付制限,②農地除染,③カリ上乗せ施用および④全量全袋検査の4 つの対策が実施されてきた.①作付け制限は,避難指示が出された区域において2011 年に実施されたが,2012 年以降は避難指示の解除に伴って作付制限も解除が進んだ.避難指示が出された区域外のうち,2011 年に放射性セシウム濃度が100 Bq/kg を超える玄米が生産された地域において,2012 年の作付けが制限された.②農地除染は,2011 年に技術開発と実証試験が行われた後に2012 年から事業として進められた.③カリ上乗せ施用は,慣行施肥前の土壌中交換性カリ含量が25 mg/100g 以上になることを目標として2012 年から実施された.2015 年から,カリ上乗せ施用後に玄米の放射性セシウム濃度が基準値を超過しないことを確認するための実証試験が始められ,2016 年以降カリ上乗せ施用の中止が進んでいる.④全量全袋検査は,基準値を超過した玄米を出荷しないために2012 年から実施され,2020 年からは避難指示等があった12 市町村を除いて抽出検査に移行した.

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