大規模均一栽培圃場での生育調査は,大きな労力を要する.それらをドローン空撮および画像解析により代替する手法を検討した.複数の画像から対象物の形状を3次元的に構成する手法に SfM がある.ドローン空撮画像を SfM 処理する手法は広く使われているが,空撮の際に地上基準点(GCP)を適切に配置することでその精度を高める必要がある.大規模均一栽培圃場では全面を作物で被覆しているため,GCP の設置に制約がある.特に圃場内部への GCP の設置は作業強度が高く,かつ圃場均一性への影響もあるため極力避けたい.検証の結果,圃場の 4 つの角および 4 つの辺の中程の計 8 箇所に GCP を設置すれば,圃場内部にも GCP を設置した場合と比較しても遜色ない精度で草高を推定できることが分かった.また,ドローンの飛行時間は飛行高度の 2 乗に反比例するため,より高い高度で飛行することが時間短縮につながるが,高度を上げればそれだけ空間分解能は低下する.本試験の条件下では,4 ha 程度の圃場の場合,前述の GCP を 8 個設置し飛行高度を 50 m とすることで十分な精度が得られた.これらにより,ドローン空撮により従来の生育調査をより省力的にかつ高精度に行うことができることを示した.