農研機構研究報告
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総説
東北地域における斑点米カメムシ類:2014-2021年の発生動向,被害実態と防除対策
田渕 研 石岡 将樹對馬 佑介吉田 雅紀小野 亨新山 徳光高橋 良知中島 具子上野 清松木 伸浩吉村 英翔
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電子付録

2023 年 2023 巻 15 号 p. 1-52

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抄録

斑点米カメムシ類は東北地域のみならず全国で依然として水稲の最重要害虫である.日本海側地域で分布と被害を拡大しているアカスジカスミカメに加えて,近年では東北太平洋側地域で温暖化によると思われるクモヘリカメムシの分布拡大も報告されている.このため,被害発生リスクは高止まりのままであり,今後の発生状況に注視していかなければいけない.斑点米カメムシ類による被害への将来的な研究展開や技術開発に資するため,2014 年から 2021 年にかけて東北地域において調査された斑点米カメムシ類と斑点米被害の発生状況を取りまとめ,主要種の変遷や開発された対策技術を概観した.また,斑点米カメムシ類が全国的に問題となった 1990 年代後半から現在までの主要種の全国的な変遷,被害状況や注意報・警報発表の推移,予察手法,斑点米被害に影響する要因とその対策研究,今後懸念される問題点について解説し議論した.

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