農研機構研究報告
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ミニレビュー
荒廃農地の再生による環境保全効果と生産性の高いスマート放牧体系の実証
平野 清
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2025 年 2025 巻 20 号 p. 99-

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抄録

スマート技術を活用しつつ,無農薬・無化学肥料での持続的な放牧関連技術の導入実証を,島根県大田市の三瓶山の荒廃農地を含むエリアで行った.導入した技術は,荒廃農地再生技術,放牧期間延長技術,GPSガイダンスによる鶏ふん散布技術,放牧牛の位置看視技術,電気牧柵電圧監視技術であった.技術導入により,放牧地の面積は31 ha→64 haへ,放牧期間は182日→230日へ,放牧牛の頭数は30頭→53頭へ,それぞれ増加したが,放牧牛の位置看視技術等により,人員の増加無く2名で管理できた.これらスマート放牧体系は,荒廃農地の解消と農用地の省力的維持管理,自給飼料に基づく低コスト持続的家畜飼養体系に寄与できることから,今後さらなる技術発展と普及が期待される.

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著者は自身の論文の著作権を保持し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構に対し農研機構研究報告からの論文の出版を許諾する。
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