名古屋文理短期大学紀要
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ポリビニルアルコールの熱分解
下田 隆信
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1994 年 19 巻 p. 83-88

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抄録

プラスチック廃棄物より有効物質の回収を目的として,ポリビニルアルコール(以下PVAと略記)を常圧下と水素存在下で分解し,その影響について検討した.1)PVAの初期段階における活性化エルギーは低分子量PVAの方が高く,また高ケン化PVAの方が高くなる結果が得られた.2)液化率は常圧で69%であったが,水素存在下では55%と減少した.触媒としてPt-Cを用いた場合最高71%が得られた.3)常圧下で熱分解生成物は主に水,アセトアルデヒト,アセトン.クロトンアルデヒド,ベンゾアルデヒド,そしてアセトフェノンであったが,水素存在下での分解では,カルボニル化合物は減少し,ベンゼン,トルエン,キシレンが増加した.4)ガス生成物は主にメタン,エタン,プロパン,ブタン,エチレン,プロピレン,CO,CO2であった.5)分解残渣の分解物の量はPt-Ni2O3を使用した場合著しく減少した.以上により有効物質の回収利用のためには水素加圧分解法が有効であることを認めた.

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© 1994 名古屋文理大学
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