名古屋文理短期大学紀要
Online ISSN : 2433-6548
Print ISSN : 0914-6474
米国におけるシステム監査の展開 : 1950年代から1970年代までの文献をめぐって
吉田 洋
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

1995 年 20 巻 p. 1-9

詳細
抄録

本稿は, 1950年代から1970年代までの, 主に米国におけるシステム監査の主要な文献を年代順に整理し, その方向性をまとめたものである.この期間の展開を見ると, 財務諸表監査の一環としてのシステム監査から, 『SACレポート』の出版によってシステム監査は内部監査の特化した段階であるという考え方が一層明確になっていったことがわかる.まず1950年代では, 企業経営にコンピュータが導入された初期段階であり, 内部統制や監査証跡に焦点があてられた.次の1960年代では, 汎用監査ソフトウエアが出現し, 徐々に普及しはじめた.また, 米国公認会計士協会から『会計監査とコンピュータ』が出版され, 一層システム監査の知識が普及した.さらに, EDP監査人協会が設立された.最後の1970年代では, エクイティ・ファンディング事件がきっかけとなって, システム監査の必要性が加速した.締めくくりとして『SACレポート』が出版された.

著者関連情報
© 1995 名古屋文理大学
前の記事 次の記事
feedback
Top