2018 年 39 巻 2 号 p. 56-62
ビスマレイミド樹脂の靭性向上を目的として,末端マレイミド基を有するオリゴイミドチオエーテルで変性したビスマレイミド樹脂の硬化物を作製し,機械特性と熱特性を評価した。触媒量のトリエチルアミン存在下,クロロホルム中で三官能性チオールとビスマレイミドを反応させることで,末端にマレイミド基を有するオリゴイミドチオエーテルを合成した。得られたオリゴマーをジアリルビスフェノールA およびビスマレイミド樹脂に配合し硬化物を作製すると,オリゴマー化を経ないモノマーのみの配合の硬化物と比較して, ガラス転移温度や熱重量減少温度は低下せずに破壊靭性値と曲げ強度が向上した。この挙動は,オリゴマー化を経ることで硬化物中のイミドチオエーテル構造に由来する比較的長鎖の架橋構造の割合が他の比較的剛直な構造に対して大きくなり,硬化物の柔軟性が上昇したことによるものと考えられる。