ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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ビフェニル構造を有する新規多官能エポキシ樹脂の合成と 硬化物の物性
山田 尚史大村 昌己廣田 健大神 浩一郎中原 和彦梶 正史
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2020 年 41 巻 2 号 p. 52-57

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抄録

4,4’- ビフェノールと4,4’- ビスクロロメチルビフェニルとの反応により得られるビフェノール構造含有樹脂を用いてビフェニル構造を有する新規多官能エポキシ樹脂(BDP-E)を合成した。これを用いて硬化物を作製し,ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(BP-E)およびo- クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(OCN-E)の硬化物の物性と比較した。動的粘弾性測定の結果,フェノールノボラックを硬化剤として得られるBDP-E 硬化物のガラス転移点(Tg)は211 ℃であり,OCN-E 硬化物の186 ℃より高いTg を示した。また,示差熱重量測定の結果,BDP-E 硬化物の700 ℃での残炭率は41%であり,BP-E 硬化物の28%より高い値を示した。この結果は,BDP-E の剛直なビフェニル構造に基づき分子運動が抑制されたことに加え,熱分解安定性に優れるビフェニル構造の導入率が増加したことに起因すると考えられる。さらに,トリフェニルメタン型フェノール樹脂を硬化剤として得られる硬化物の200 ℃,1000 時間保持後における曲げ強度保持率は,BP-E 硬化物に対して11%向上した。この結果も,分子運動の抑制とビフェニル構造の導入率が増加したことに起因するものと考えられる。

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© 2020 合成樹脂工業協会
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