ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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配位結合部位を導入したフェノール系ポリマーの合成と性質
高倉 泰亮角田 貴洋生越 友樹山岸 忠明
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2020 年 41 巻 2 号 p. 58-64

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抄録

配位結合はその特徴として,使用する金属種や価数の違いによって,配位子との結合力や配位数が異なることから,金属種の選択によって材料の物性を容易に変化させることができる。2,5- ジメチルフェノールとテレフタルアルデヒド酸を原料としてカルボキシル基を有するフェノール誘導体を合成し,これをパラホルムアルデヒドと反応させることで,カルボキシ基が等間隔で導入された直鎖状ポリマーを合成した。この配位結合部位を持つポリマーは,DMF 中で金属硝酸塩と反応させることで,配位結合によって架橋したネットワーク構造を形成した。このネットワークは使用する金属イオンの種類や価数に応じて形態が変化した。加えて,塩酸添加による化学的刺激に応答して即座に架橋が切断する性質を示した。これにより,従来は共有結合による架橋形成後の構造の組み替えが困難だったフェノール系のネットワークに刺激応答性という新たな機能を与えることに成功した。

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© 2020 合成樹脂工業協会
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