2022 年 43 巻 3 号 p. 123-135
脱炭素社会・循環型社会の構築に貢献するバイオプラスチックへの関心が社会的に高まっている。本総説では植物資源由来のバイオプラスチックや天然高分子を基盤とする材料の開発動向を述べる。バイオプラスチックは再生可能な有機資源を原料とし,枯渇性化石資源の使用量を削減するバイオマスプラスチックと微生物により分解するという機能の特長から主には廃棄時の環境負荷低減が期待される生分解性プラスチックに大別される。ポリ乳酸,微生物産生ポリエステルは生分解性バイオマスプラスチックに分類され,最近はバイオポリエチレン等の非生分解性バイオマスプラスチック製品が社会実装され,バイオエラストマーや植物油脂ポリマーも実用化が進んでいる。また,非プラスチックであるが,脱炭素に貢献するセルロース,デンプン等の多糖類を利用した材料が活発に研究され,樹脂複合材料や減プラスチックモデル製品が開発されている。