ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
43 巻, 3 号
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報文
  • Yasuyuki MORI, Junji UEYAMA, Takeshi ENDO
    原稿種別: 報文
    2022 年43 巻3 号 p. 90-99
    発行日: 2022/05/10
    公開日: 2023/01/04
    ジャーナル フリー

    The addition effect of phthalimide derivatives (PIDs) on curing reactions of epoxy resins by imidazoles was investigated. The curing behavior and storage stability of the epoxy compositions containing imidazoles and PIDs were evaluated. As a result, the curing initiation temperature in the presence of PIDs were higher than that in the absence of PIDs. Moreover, the storage stability increased by the utilization of PIDs. The UV-Vis absorption spectrum of a mixture of PIDs and imidazoles suggested that the charge transfer interaction, which led to decreasing the nucleophilicity of imidazoles, resulted in the thermal latency. The present study provides the charge transfer interaction between PIDs and imidazoles in epoxy resins, which can be used for the construction of thermal latent systems for curing reactions of epoxy resins.

  • 梶 正史, 大神 浩一郎
    原稿種別: 報文
    2022 年43 巻3 号 p. 100-104
    発行日: 2022/05/10
    公開日: 2023/01/04
    ジャーナル フリー

    m-ターフェニル構造を持つエポキシ樹脂(DGMTP)を合成し,4, 4’- ジヒドロキシジフェニルエーテルと反応させて得られる硬化物の物性を評価した。DGMTP は202.2℃の融点を持つ結晶性の硬化物を与え,ジフェニレンエーテル構造のエポキシ樹脂硬化物の融点よりも14.8℃高い値を示すとともにTg も22.6℃高くなった。また,結晶性を有するDGMTP 硬化物の熱伝導率は0.31 W/m・K であり,アモルファス状のビスフェノールA 型エポキシ樹脂硬化物に対して約1.5 倍の値を示すとともに,吸水率は半減した。

  • 上山 潤二, 太田 啓介, 岡野 一平, 小川 亮, 森 康友紀, 柘植 顕彦, 遠藤 剛
    原稿種別: 報文
    2022 年43 巻3 号 p. 105-110
    発行日: 2022/05/10
    公開日: 2023/01/04
    ジャーナル フリー

    我々は,これまでシアナートエステル樹脂/エポキシ樹脂へ脂肪族アミン骨格を有する熱潜在性硬化剤を適用することにより,100 ℃程度の低温下において迅速硬化が可能であり,得られたネットワークポリマーは高い物性と接着力を持つことを明らかにしている。そこで硬化物の接着性能および線熱膨張係数,ネットワークポリマーの形成による体積変化について硬化反応または架橋構造の観点から検討した。その結果,エポキシドの開環反応によって生じる水酸基が基材との高い接着力に寄与していることが明らかとなった。また,シアナートエステルの3 量化によって生じる剛直なトリアジン構造が線熱膨張係数を低下させる一方で,硬化収縮を増加させることが明らかとなった。

  • ビスフェノールBを用いたノボラック樹脂の合成と性質: ビスフェノール類に着眼した柔軟性をもつフォトレジスト材の開発
    山﨑 博人, 西村 利康
    原稿種別: 報文
    2022 年43 巻3 号 p. 111-122
    発行日: 2022/05/10
    公開日: 2023/01/04
    ジャーナル フリー

    ポジ型フォトレジスト材を用いたドライフィルムを作製できるようになれば,新たなニーズの展開が期待できる。著者は柔軟性をもつレジスト用ノボラック樹脂の開発を試みる中で,フェノール(PhOH)成分として分子鎖骨格に嵩高いイソプロピリデン基をもつビスフェノールC(BisC)とグルタルアルデヒド(Glu)を組み合わせたBisC/Glu ノボラック樹脂は,極めて高い柔軟性と4 μm 以下の良好な描画能を発現することを見出した。 本稿ではより高い柔軟性と高精度なリソグラフィ性能を有するノボラック樹脂の開発を目指し,嵩高さに加えてアルキル側鎖伸長による柔軟性発現への相乗効果がもたらされるものと期待して,メチルプロピリデン基をもつビスフェノールB(BisB)と,架橋剤であるGlu あるいはホルムアルデヒド(Form)からなる,BisB/Glu およびBisB/Form ノボラック樹脂を新規に合成し,その性質を検討した。BisB 型ノボラック樹脂は,アルデヒド類の組合せにかかわらず,アルデヒド成分の仕込み割合の増減に対するMw 変化は乏しく,BisB/Glu とBisB/Form ノボラック樹脂のMw は,それぞれ3000 ~3300 程度と1200 ~1900 程度となった。そして,架橋剤の仕込モル比の増加に伴い,アルカリ水溶液溶解速度(DR)は低下する傾向を示した。これは一般的なノボラック樹脂に見られるMw とDR の相関関係とは大きく異なっていた。 得られたノボラック樹脂の中から、DR ≦800 Å/sec の条件を満足するノボラック樹脂を選別し,シリコンウェハ上に樹脂膜厚1.5 μm となる様に塗布し,レジストパターンを作製して描画性能を評価した。BisB/Glu とBisB/Form ノボラック樹脂は,良好な柔軟性を発現した。特に,BisB/Glu ノボラック樹脂はBisC/Glu ノボラック樹脂と同程度の極めて高い柔軟性を発現することを,折り曲げ試験より確認した。両ノボラック樹脂は高い描画能(パターンニング:3 μm 以下,残膜率:90%以上)を発揮し,BisC/Glu ノボラック樹脂の描画能を僅かに超えることができた。

総説
  • 宇山 浩, 徐 于懿
    原稿種別: 総説
    2022 年43 巻3 号 p. 123-135
    発行日: 2022/05/10
    公開日: 2023/01/04
    ジャーナル フリー

    脱炭素社会・循環型社会の構築に貢献するバイオプラスチックへの関心が社会的に高まっている。本総説では植物資源由来のバイオプラスチックや天然高分子を基盤とする材料の開発動向を述べる。バイオプラスチックは再生可能な有機資源を原料とし,枯渇性化石資源の使用量を削減するバイオマスプラスチックと微生物により分解するという機能の特長から主には廃棄時の環境負荷低減が期待される生分解性プラスチックに大別される。ポリ乳酸,微生物産生ポリエステルは生分解性バイオマスプラスチックに分類され,最近はバイオポリエチレン等の非生分解性バイオマスプラスチック製品が社会実装され,バイオエラストマーや植物油脂ポリマーも実用化が進んでいる。また,非プラスチックであるが,脱炭素に貢献するセルロース,デンプン等の多糖類を利用した材料が活発に研究され,樹脂複合材料や減プラスチックモデル製品が開発されている。

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