抄録
一般に,分析方法が大きく制約されている不溶性架橋高分子の,詳細な化学構造解析を可能にする新しい方法として,有機アルカリ共存下における反応熱分解ガスクロマトグラフィー,および超臨界メタノール分解とマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法を組み合わせた方法を概説する。ここでは,アクリル系紫外線硬化樹脂を解析対象として,それらを構成するエステル結合の特異的分解を通じて,1)多成分で構成される硬化樹脂の精密組成分析,2)硬化した樹脂中のプレポリマー成分の分子量の推定,3)樹脂への紫外線照射に伴う硬化率の計測,および 4)硬化樹脂中の架橋ネットワーク連鎖構造の解析などを行った例を紹介する。