抄録
メチルトリメトキシシランを出発原料としたセラミックコーティング塗料にポリ(N- ビニルピロリドン)を添加して,有機-無機ポリマーハイブリッドコーティング膜を作製した。表面粗さ分析と表面観察より,表面に凹凸の多い特異的な形状になることが分かり,撥水性が向上した。ATR-FTIR とXPS にてコーティング膜を分析した結果,コーティング膜表面近傍ではメチル基を含むシロキサン(Si-O-Si)とポリ(N- ビニルピロリドン)が結合して有機-無機ポリマーハイブリッドコーティング膜になっていると考えられる。この結果,シロキサンネットワーク構造が乱れて凹凸の多い形状になったものと考えられる。