ネットワークポリマー
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自動車ハイサイクルRTM 用エポキシ樹脂の開発
富岡  伸之岡  英樹本田  史郎
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2016 年 37 巻 3 号 p. 138-144

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抄録
自動車軽量化要求の高まりを受け,炭素繊維強化複合材料(CFRP)が注目を浴びている。CFRP の量産車展開に向け,スチール部材に匹敵する生産性の実現が重要課題となる。これに対し,生産性に有利な成形法であるレジントランスファー成形(RTM)に着目し,この成形サイクルタイムを10 分以内とすることを目標とした。 ハイサイクルRTM では,型の昇降温時間ロスを排除すべく,成形サイクル全体に渡り型温を一定とする。この一定温度下で,注入時には樹脂は硬化せず流動性を保持し,炭素繊維基材へ含浸した後,速やかに硬化しガラス状態に至り,変形なく脱型できることが求められる。そこで,樹脂の硬化過程全般に渡る分析が可能な誘電分析を用い,長い流動時間と短い硬化時間を両立可能なエポキシ樹脂の設計に取り組んだ。反応速度論に基づき,汎用のアミン硬化系に比べ,アニオン重合系が,これらを両立させる上で本質的に有利であることを明確にした。 また,アルコールによる連鎖移動を導入したアニオン重合系と,酸無水物との交互アニオン重合系で,流動時間と硬化時間の目標を達成し,10 分サイクルのRTM にて,大型CFRP 部材の成形にも成功した。
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© 2016 合成樹脂工業協会
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