ネットワークポリマー
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熱硬化性樹脂のリサイクルに関する研究の現状
松本 明博長谷川 喜一福田 明徳
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1997 年 18 巻 4 号 p. 208-219

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抄録

熱硬化性樹脂は不溶不融のため一般的にリサイクル使用には適さないと云われてきた。よって, 現状ではそれらの大部分は焼却あるいは埋め立て処理されている。しかし, 焼却に伴う環境汚染や埋め立てに伴う費用, 埋立地の確保などが社会問題化してきている。そこで近年, 各方面で熱硬化性樹脂のリサイクルに関する可能性が検討され始めている。熱硬化性樹脂のリサイクル方法は, (1) 充填材, 添加剤, 増量材などとして再利用するマテリアルリサイクル法, (2) 熱分解させて, モノマーやオリゴマーなどとして再利用したり, 賦活焼成して活性炭として再利用するケミカルリサイクル法, (3) 燃焼させて, 発生するエネルギーを利用するエネルギーリサイクル法の3つに大別される。本報では熱硬化性樹脂の中でも生産量が多い, フェノール樹脂, ポリウレタン, および不飽和ポリエステルのリサイクル方法に関する最近の報告例について概説した。

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© 合成樹脂工業協会
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