ネットワークポリマー
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18 巻, 4 号
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  • 陶 晴昭, 萩原 伸介, 古沢 文夫, 斉藤 裕之
    1997 年 18 巻 4 号 p. 181-189
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フェノールノボラック樹脂の合成において, 分子量及び分子量分布は, フェノール類 (以下Pと省略する) とアルデヒド類 (以下Fと省略する) の仕込みモル比で決定されることが知られている。一般に低分子量で狭い分子量分布を有するフェノールノボラック樹脂を得るためには, F/P (ホルムアルデヒドとフェノールの比) の値を小さくする。すなわちホルムアルデヒドに対して大過剰のフェノール類を反応させることにより得られる。しかし, この場合未反応のフェノール類が大量に残るという問題がある。
    本報では, ナフトールを含む系でこの問題を改善できる新合成法を見出したので報告する。この新合成法は, 還流反応と減圧濃縮反応の間に, 強酸存在下, 150℃で系内の水などを留去させながら1時間以上その状態を保つことにより, 低分子量化と分子量分布の狭分散化を図るものである (以下, 分裂再配列合成法と省略する) 。分裂再配列反応は, ナフトールと強酸 (たとえは塩酸パラトルエンスルホン酸など) が共存するときに起こるが, シュウ酸, 酢酸亜鉛などの弱酸の場合は, ほとんど起こらない。さらに, この反応は, ナフトールが存在すればほかのフェノール類存在下でも進行することがわかった。また, 低分子量化の程度は, F/Pの比が大きいところでより大きくなることがわかった。
  • 森 邦夫, 井上 唯之, 三輪 広治
    1997 年 18 巻 4 号 p. 190-200
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フェノール樹脂の新規硬化法として, ノボラック樹脂を反応性希釈剤となり得る液状の多官能不飽和化合物であるジビニルベンゼンに溶解させ, 塩化アルミニウムのようなルイス酸やスルホン酸のようなプロトン酸のカチオン硬化触媒を添加することにより付加反応で架橋硬化させるシステムを開発した。同システムに最適なノボラック樹脂や配合比の決定, 硬化物の性能評価の他, 反応機構や硬化物の構造解析まで検討を行った。通常のノボラックはジビニルベンゼンに溶解しにくいが, 低分子量のオルソ配向性の高いノボラック及び, ジシクロペンタジエン・フェノール樹脂が特異的にジビニルベンゼンに対して良好な相溶性を示ことを見いだし, 低粘度の一液のフェノール樹脂組成物を得た。得られた組成物にカチオン触媒を添加し, 常温~高温でジビニルベンゼンのビニル基のα位炭素がノボラック樹脂のフェノール核の活性点に付加する反応にてガス発生がなく良好な作業性で硬化させることが出来る。硬化物は性能バランスが非常に良好であり, 特に機械的強度, 耐熱性, 耐水性, 電気特性に優れ, フェノール系でありながら耐アルカリ性に優れる特性も有するため, 種々の用途に展開可能であると期待される。
  • 後藤 一敏, 中野 俊之, 槙島 聡, 清水 敏夫
    1997 年 18 巻 4 号 p. 201-207
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    エポキシ樹脂の硬化挙動をミクロ誘電計測法により解析した。硬化モニタリングとして使用する時, ミクロ誘電計測で測定した等価抵抗率の変化はDSCによる熱分析で得た反応率X, ガラス転移温度Tgと良好な関連性があることが必要である。両測定法で得られた実験値から相関性を求め, その結果に対して反応速度論や自由体積理論から得られる理論式との関連性を検討した。酸無水物硬化液状エポキシ樹脂 (アラルダイトCY225/HY925) を供試料としてミクロ誘電計測により90℃から120℃の各温度で等温硬化して等価抵抗率 (ρ) を測定した。ある等価抵抗率になるまでの硬化時間は硬化温度の逆数と直線関係にあり, アレニュウス則で整理できる。DSCによる硬化反応率とガラス転移温度の関係にはDiBenedettoの理論式が適用でき, 実測値と良く一致する。また, 等価抵抗率は硬化温度TcとTgの差である (Tc-Tg) との間には比例関係があり, 自由体積理論から得られる実験式を適用できることを見いだした。
  • 松本 明博, 長谷川 喜一, 福田 明徳
    1997 年 18 巻 4 号 p. 208-219
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    熱硬化性樹脂は不溶不融のため一般的にリサイクル使用には適さないと云われてきた。よって, 現状ではそれらの大部分は焼却あるいは埋め立て処理されている。しかし, 焼却に伴う環境汚染や埋め立てに伴う費用, 埋立地の確保などが社会問題化してきている。そこで近年, 各方面で熱硬化性樹脂のリサイクルに関する可能性が検討され始めている。熱硬化性樹脂のリサイクル方法は, (1) 充填材, 添加剤, 増量材などとして再利用するマテリアルリサイクル法, (2) 熱分解させて, モノマーやオリゴマーなどとして再利用したり, 賦活焼成して活性炭として再利用するケミカルリサイクル法, (3) 燃焼させて, 発生するエネルギーを利用するエネルギーリサイクル法の3つに大別される。本報では熱硬化性樹脂の中でも生産量が多い, フェノール樹脂, ポリウレタン, および不飽和ポリエステルのリサイクル方法に関する最近の報告例について概説した。
  • 葛原 亨
    1997 年 18 巻 4 号 p. 220
    発行日: 1997/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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