抄録
最近の高分子の研究は機能化を目指し, 複雑・高度になると共に危険な実験や長期にわたるものが増えてきた。そのような環境の中で, 研究を効率よく進めるためには, 電子計算機の支援の重要性がますます増大している。しかし, 熱可塑性樹脂に関しては電子計算機を使った報告が多くあるが, 架橋を取り入れた計算についての適用例は殆ど見られない。架橋を計算に取り込むためには, 計算機の能力が不足していたり, データが不足しているためと考えられる。ここでは物性予測について述べるが, これらの方法は, 熱可塑性, 熱硬化性樹脂に関わらず, 全ての高分子に共通である。一般に物性予測には2通りある。1つは, 分子力学や分子動力学による原子・分子の運動から求めるもの, 他は既存のデータを統計処理して, そこから規則性を見いだし, それを使って新規な物質の物性予測を行う方法である。さらにニューラルネットワークの手法による因果関係を見いだす方法もある。最近はこれらの手法にさらに遺伝のアルゴリズムを導入して, 効率の良い計算ができるようになっている。