2001 年 22 巻 4 号 p. 200-211
使用済みポリスチレン製容器を化学処理して得られた球状樹脂よりカチオン性の官能基を持つ吸着剤の製造の検討、および吸着剤の色素吸着性を検討した。ポリスチレンを1, 2-ジクロロエタンに溶解し、シリコンオイル中に分散しながら架橋剤で処理することにより、球状の架橋樹脂を得ることができた。その際の種々の反応条件により、得られる樹脂の粒度分布や形状が大きく変化することが明らかとなった。官能基導入のためのクロロメチル化は球状樹脂中のベンゼン環に対し、ほぼ100%行うことができた。さらに、クロロメチル化球状樹脂にトリエチルアミンまたはピリジンを反応させたところ、トリエチルアンモニウム基を2.3meq/g-Resinまたはピリジニウム基を3.5meq/9-Resin有するアニオン交換樹脂を得ることができた。得られたアニオン交換樹脂はカチオン性食用色素であるAcid Red 18とAcid Yellow 23 をバッチ方式でも、カラム方式でも効率よく吸着し、さらにNaOHのジオキサン/水混合溶媒により脱着も可能であることを示した。