ネットワークポリマー
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新しい水潜在性硬化剤;イミン類の加水分解に関する基礎研究と一液型エポキシ樹脂の硬化反応への応用
鈴木 堅大郎遠藤 剛
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2006 年 27 巻 2 号 p. 104-112

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抄録
イミンを水潜在性硬化剤として用いた1液形エポキシ樹脂の重合はイミンの加水分解反応と生成するアミンとエポキシドの反応からなる。しかし, この1液システムは硬化が遅いために実用的なシステムでは無い。これら反応の中で, イミンの加水分解速度が遅いために律速段階となっており, この向上がもっと重要な課題となっている。数々のイミンを合成し加水分解性について検討を行うと, イミノ基の炭素原子上の電子密度が低くなるにつれ加水分解性が向上することが分かった。特にジエチルケトンと脂肪族アミンから合成されるイミンを用いた1液形エポキシ樹脂は通常のイミンを用いたものと比較して硬化速度は速くなる傾向がある。これらエポキシ樹脂は2液型のものと比較しても同等の優れた接着性および接着耐久性を示しており, 貯蔵安定性も優れててる。これらのことから, ジエチルケトン型のイミンを用いることで実用上問題のない1液形エポキシ樹脂が得られた。
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