抄録
シドニー・フィッシュ・マーケットは南半球では最大級の水産物取扱量を誇る卸売魚市場であり、地元市民や観光客に人気のスポットである。2024年にはニューサウスウェールズ州のウォーターフロント再開発の一環として、隣接地であるブラックワトル湾に移転する。そこでは流通市場としての魚市場を体験型の観光コンテンツとして活用する取り組みが、積極的に行われている。それらの事業は2018年に移転した豊洲市場でも活用できる事業である。本論文では豊洲市場の観光への取り組みを検証しながら、シドニー・フィッシュ・マーケットでの事業を豊洲市場として取り入れる方策、また市場機能と観光機能のバランスをどのように図っていくのかについて考察を行う。