抄録
我が国の総人口は2005年より減少に転じてきている。人口減少に適応した社会システムを創るための戦略として「観光戦略」の位置づけが不可欠である。人口減少社会における国力の維持という観点から考察すると観光産業が注目される。観光を主体とした”交流人口”の拡大は、地域に新たな需要を顕在化し、その経済波及効果による相乗効果と相まって経済力並びに国力の低下が回避されることになるであろう。まさに今世紀は世界大交流時代といわれる。モノの移動からヒトと資本の移動、これに伴う文化の交流が基盤となる”交流社会”の形成である。総合国力を構成する8分野(人的資源、自然環境、技術、経済・産業、政府、防衛、文化、社会)について、観光戦略との関係性を挙げる。特に、観光産業の労働生産性の向上がその戦略の遂行に必要な要因の一つであることを提起したい。