2010 年 25 巻 3 号 p. 537-540
目的:男性受診者の混在する健診において,女性受診者がより安心して検査に集中できる環境作りの一つとして健診ブラの導入を検討したので報告する.
方法:対象は平成20年12月1日より平成21年2月20日までに当センターを受診した女性受診者595名.健診ブラ使用にあたっては実施の旨を説明した文書を事前に郵送.使用希望者に対して使用経験についてのアンケート記入を条件に無料配布した.同時に医師・診療放射線技師による胸部エックス線画像への影響も検討した.
結果:健診ブラのサイズ・着心地に対する印象は概ね良好であった.しかし,健診ブラに対する認知度・購入意欲は低いことが顕著であった.また,胸部エックス線画像に若干の歪みが認められた.
結論:健診ブラの使用は女性受診者のサービス向上として有用である.健診ブラを着用することで安心感が増した受診が可能となり,レディースドックの代替案の一つとして期待される.一方,着衣枚数の増加から脱衣を必要とする検査では着脱に時間がかかった.受診者の購入意識が低いため,導入時にはコストパフォーマンスが問題になると予想される.胸部エックス線画像の読影への影響はほとんどなかった.