抄録
目的:腎結石と生活習慣関連病との関係が示唆されているが,本邦での多数例を対象とした検討は少ない.健診症例を対象とし,生活習慣関連因子と腎結石の関係を検討する.
方法:2003年11月~2011年12月の健診初回受診例35,647名のBMI,収縮期・拡張期血圧,中性脂肪,総コレステロール,HDLコレステロール,LDLコレステロール,空腹時血糖,HbA1c,尿酸,飲酒,喫煙,運動,腎石灰化の存在と,腎結石との関係を単変量,多変量解析にて検討した.メタボリックシンドローム因子数と腎結石の有無について検討し,石灰化と比較した.
結果:単変量解析では,BMI,収縮・拡張期血圧,中性脂肪,総・LDLコレステロール,空腹時血糖,尿酸,飲酒,喫煙,石灰化で,腎結石に有意な関連を認めた.多変量解析では,性別,年齢,石灰化,拡張期血圧,尿酸が有意であり,年齢,性別,石灰化の影響を除外した検討では,拡張期血圧が唯一有意であった.メタボリックシンドローム因子数では,腎結石「あり」群では因子数1,2,3の頻度が「なし」群を上回った.石灰化と結石について,「両方なし」,「石灰化のみ」,「結石のみ」,「両方あり」の順で,因子数2+因子数3の割合が増加した.
結論:生活習慣関連因子の多くは,単変量解析で腎結石の存在に関連するが,総合的な多変量解析では拡張期血圧のみが有意であった.メタボリックシンドローム進展と結石の関係,石灰化が腎結石の前段階である可能性が示唆された.