2021 年 36 巻 4 号 p. 524-531
目的:COPDは適切な管理により進行・悪化を予防できる疾患で,早期発見・治療が重要である.しかし530万人と推測されるCOPD患者のうち9割は未診断とされている.COPD検診の確立を目的に低線量CT検診と呼吸機能検査,質問票記載を同時実施し,COPD発見に寄与する因子の検討を行った.
方法:一般住民に対する低線量肺がんCT検診受診者266名のうち,同意の得られた123名に対しCOPD検診を実施した.COPDガイドラインに基づき1秒率<70%を気流閉塞ありとした.CTにより算出された低吸収領域,性,年齢,喫煙指数,BMIを含む各質問項目と,気流閉塞との関係を単変量および多変量解析で検討した.質問票はInternational Primary Care Airways Group (IPAG)の質問票にいくつかの項目を追加して用いた.
結果:気流閉塞ありは9名であった.ロジスティック回帰分析による解析では,気流閉塞ありに寄与の大きい項目はBMI(p<0.01),喫煙指数(p<0.05),%LAA(p<0.05)であった.喘鳴がよくある(p=0.07),朝起きて痰がからむ(p=0.14)を含めて算出された回帰式により予測値を求め,ROC曲線を作成した.曲線下面積が0.942で,感度89%,特異度93%であった.
結論:低線量CT検診において質問票を組み合わせることで,比較的精度の高いCOPD検診を実施できる可能性がある.