人間ドック (Ningen Dock)
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原著
異なる方法で測定した特定健診におけるHbA1c値の比較
合屋 佳世子今門 啓恵石橋 みどり古賀 正史
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キーワード: HbA1c, 酵素法, HPLC法, 特定健診
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2022 年 37 巻 1 号 p. 15-19

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抄録

目的:我々は健診時に酵素法で測定したHbA1c(酵素法-HbA1c)がHPLC法で測定したHbA1c(HPLC-HbA1c)に比し偽低値を示すことを報告した.我々の関連施設のはくほう会セントラル病院の特定健診における検査施設のHbA1c測定法は2017年2月にHPLC法から酵素法に変更となった.今回,我々は上記の病院の特定健診を2015年2月から2019年1月に受診した非糖尿病者を対象にして,測定法の変更に伴うHbA1c値への影響について調査した.

方法:2015年2月から2019年1月を1年刻みの4期間に分け,HPLC法での測定期間,HPLC法から酵素法へ変更となった測定期間,酵素法での測定期間において同一受診者のHbA1c値への影響を調査した.なお,健診のHPLC-HbA1cはフッ化ナトリウム含有採血管(血糖管)を用いて全血HbA1cを測定し,酵素法-HbA1cは血糖管を用いて血球層のHbA1cを測定した.

結果:酵素法-HbA1cはHPLC-HbA1cに比し有意に低値を示し,同一受診者における隣接期間の比較ではHPLC法から酵素法に変更となった期間においてHbA1c値が有意に低下した.

結論:HbA1c値はHPLC法から酵素法への変更に伴い,有意に低値を示した.我々の既報の知見を踏まえると,酵素法-HbA1cの低値の原因は検査施設への検体の運搬に伴う溶血に起因すると考えられた.

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© 2022 公益社団法人 日本人間ドック学会
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