2023 年 38 巻 1 号 p. 18-24
自己免疫性胃炎を診断する臨床的意義は,①悪性貧血,亜急性連合性脊髄変性症等のリスク,②鉄欠乏性貧血を引き起こすことがある,③胃がんや胃神経内分泌腫瘍の高リスク群である,④甲状腺などの自己免疫性疾患を高率に合併すること,である.その確定診断は,「内視鏡所見,組織所見のいずれか,もしくは両者が自己免疫性胃炎の要件を満たし,かつ胃自己抗体(抗壁細胞抗体あるいは抗内因子抗体,もしくは両者)陽性」とする.
近年,自己免疫性胃炎は増加傾向にあり,特に,高齢女性の高度萎縮例では潜在的に存在している可能性があるため,逆萎縮の有無などの特徴的な内視鏡所見に留意すべきである.今後は早期内視鏡像の特徴を明らかとし,その自然史などについての検討が望まれる.
自己免疫性胃炎に関するガイドラインは存在しないが,現時点ではその治療法がないため,受診者に過度な不安を与えないことも配慮し,年1回の内視鏡検査と血液検査など,定期的なサーベイランスを行うことが重要である.