人間ドック (Ningen Dock)
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人間ドックサービス内容の改善に伴う人間ドック受診者の満足度と検査結果への理解度の変化―水戸赤十字病院の例から―
石川 守仲松 宏金澤 諭高島 豊
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2006 年 21 巻 1 号 p. 22-26

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抄録
目的:水戸赤十字病院では,人間ドックを受診者にとってより良きものになるよう,過去7年間毎年アンケート調査を行い,その結果を基に種々のサービスの改善に努めてきた.この結果,内容を改善する毎に受診者の人間ドックに対する満足度や理解度は上昇し,人間ドック受診希望者も増えてきた.まず,アロマセラピーを導入することにより,入眠の改善や夜間における良質の睡眠が確保され,受診者の人間ドックに対する満足度は増した.更に,宿泊ドック受診者に対して健康講話を取り入れることによって受診者の人間ドックに対する満足度が上昇したばかりでなく,人間ドック検査結果に対する理解度が増し,受診者自身の健康指標の問題点に対する理解度も上昇した.この結果ライフスタイルの改善に取り組む受診者が増え,喫煙率の減少,body mass index(BMI)の改善,脂質代謝・糖代謝・肝機能の改善を認めた.加えて,人間ドック受診後に双方向の連絡システムを作り上げることにより,より適切な疾病に対する対応も可能となった.このようにサービス面で様々な工夫をすることにより,有意な効果をあげることが出来たので報告する.人間ドック,アロマセラピー,健康講話,アンケート調査〔人間ドック21(1):22-26,2006〕はじめに水戸赤十字病院人間ドックでは,過去7年間にわたり,人間ドックが,より受診者にとって満足のいくものになり,人間ドックの結果が受診者によりよく理解されるとともに,その結果を基に,自身のライフスタイルを改善する,すなわち,受診者にとって生活習慣病の一次予防の一助にもなるよう,毎年受診者にアンケートを実施し,人間ドックサービスの改編に努めてきた.本稿では,以前人間ドック学会誌(健康医学)で発表した内容を踏まえ,改編の経緯とともに改編毎に変わってきた受診者の満足度・理解度の検証結果を報告する.対象および方法検討の対象とした受診者は,水戸赤十字病院人間ドックを平成9年度から平成15年度までの間受診した約1万2千例である.
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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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