人間ドック (Ningen Dock)
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一日人間ドック受診者の仕事に対する意識と生活習慣
高橋 為生高林 健示堀 三郎日野原 茂雄沖島 助
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2008 年 23 巻 3 号 p. 545-550

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抄録
目的:一日人間ドックの保健指導時に使用する問診のうち,受診者の「勤務状態」と「仕事に対する意識」,すなわぢ仕事に対してどのように思い,自分の仕事をどのように考えているかを調査し,さらに「仕事に対する意識」と生活習慣との関連性を明らかにすることを目的として検討した.方法:問診質問項目のうち,仕事に関する質問8項目(勤務状況2項目・仕事に対する意識6項目)を用いて,仕事に対する意識と生活習慣との関連性について,男女別・年齢階級別の回答を調査した.さらに,「仕事にやりがいを感じますか」の回答と運動・喫煙・飲酒のそれぞれの習慣との関連について検討した.成績:受診者の勤務状況や仕事に対する意識の項目間には関連が認められ,勤務状況は,生活習慣の見直しを行う際の環境要因として重要であると考えられた.他方,「仕事に対する意識」のうち「仕事にやりがいを感じる」の質問に肯定的な回答を示す者は,他の項目においても好ましい回答を示す傾向にあり,さらに運動習慣を有する,および喫煙習慣が無いとの回答と関連を示した.結論:人間ドックで実施する仕事に対する意識調査のうち「仕事にやりがいを感じる」の回答は,受診者の生活習慣との関連性を認め,個々人に対し適切な保健指導を行う際に,有用であると考えられた.
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© 公益社団法人 日本人間ドック学会
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