西日本皮膚科
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症例
疥癬の流行
大滝 倫子
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1978 年 40 巻 4 号 p. 668-672

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抄録

1975年から1977年までに皮膚科外来を受診した疥癬症例149例につき若干の検討を行なつた。1975年は外来新患患者の0.6%, 1976年は1%, 1977年は1.9%と疥癬患者数は増加の傾向を示している。流行初期は海外罹患が多かつたが, 現在では家族感染が多い。男女比は8:7で男が多く, 年令は20代が35%を占める。発症までの期間は1ヵ月前後が多い。発症より確定診断が下されるまでの期間が比較的長い例が多く, 全例の4分の1は3ヵ月以上経過している。診断に際して本症の可能性に留意すべきである。治療はcrotamiton(Eurax)およびfenitrothionを使用し, 多くの例が1ヵ月前後で軽快した。結節をつくつた例と幼小児例は難治例が多かつた。

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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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