西日本皮膚科
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症例
Meglumine Antimonateの局注が奏効したCutaneous Leishmaniasis
竹中 基大神 太郎橋口 義久野中 薫雄
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1993 年 55 巻 4 号 p. 638-642

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抄録

35歳男子。平成2年8月から4ヵ月間イラク南部の砂漠で抑留生活をおくっていた。同年11月, 左上腕外側に虫刺症様の紅斑, 丘疹が多発しているのに気付いた。現地の治療にて大部分の皮疹は治癒したが, 一部の皮疹の治癒傾向がないため帰国後近医を受診し, cutaneous leishmaniasisを疑われ, 平成3年4月23日当科へ紹介された。初診時, 左上腕にくるみ大の浸潤をふれる紅斑があり, 中央に豌豆大の潰瘍を認めた。塗沫標本でamastigote型虫体が陽性であった。組織学的には, 真皮上層に顆粒を有する組織球様細胞を多数認め, その周囲にはリンパ球, 組織球, 形質細胞, 巨細胞から成る肉芽腫様変化をみた。また同部の組織培養により虫体の培養に成功しLeishmania majorと同定された。Meglumine antimonate(Glucantime®)とpovidone iodineの混合液の外用により治療を行ったが皮疹の完治に至らなかった。その後, meglumine antimonateの局注を10回施行したところ, 皮疹は瘢痕を残して治癒した。副作用の発現は認めず, meglumin antimonateの局注は有効であると思われた。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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