西日本皮膚科
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治療
爪白癬に対する経口抗真菌剤Itraconazoleの臨床的検討
南光 弘子池田 美智子尾形 順子吉野 博子
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1996 年 58 巻 5 号 p. 876-886

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抄録
爪白癬に対する経口抗真菌剤itraconazole 50mgカプセル剤の1日1回1∼2カプセル(50∼100mg)16週間以上投与での臨床成績を検討した。混濁比の平均は治験開始時8.7であったものが2週以降週を追うごとに軽減し24週時には1.6まで改善した。有効性は病爪の混濁比推移を指標に評価し7例中6例(85.7%)が著効であり全症例有効であった。安全性に関しては副作用として2例に消化器症状を認めたものの投与中止後すみやかに消失もしくは投与量の減量により再発もなく継続投与ができたことより, 比較的長期の治療が必要な爪白癬に対しても安全に使用できる薬剤であると考えられた。しかしながら基礎疾患ないし既往に消化器系の潰瘍を有する患者では長期間投与する際には注意が肝要と思われる。
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© 1996 日本皮膚科学会西部支部
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