日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
今月のテーマ(総説):硬化性胆管炎をめぐる最近の進歩~PSCとIgG4SC~
原発性硬化性胆管炎ガイドラインについて
伊佐山 浩通田中 篤田妻 進
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2019 年 116 巻 8 号 p. 631-638

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抄録

原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;PSC)は原因不明な希少疾患で,治療法も確立していない.診断も決め手となる客観的な指標がないため総合的で,診察機会が少ないので困難なことも少なくない.原発性硬化性胆管炎ガイドラインは,疫学・病態,診断,治療,予後の4つのパートからなり,診療を行う上で重要な事項についてclinical question(CQ)を作成しそれに答える形で推奨文を作成した.CQでは世界・本邦の疫学的な特徴,PSC診断基準を踏まえた診断と癌の鑑別,薬物治療や内視鏡治療戦略,肝移植の適応,PSCの予後などを取り上げ,16個の推奨文を作成した.本邦からのエビデンスが少ないことが将来への課題であるが,本ガイドラインがより良いPSC診療に寄与できれば幸いである.

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© 2019 (一財) 日本消化器病学会
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