2023 年 120 巻 10 号 p. 837-844
切除不能肝細胞癌に対して一次薬物治療でアテゾリズマブ/ベバシズマブ(Atezo/Bev)治療を受けた21例を対象とし,好中球リンパ球比(NLR)の意義を検討した.Atezo/Bev治療導入前のNLR 2.25をカットオフ値として,無増悪生存期間(PFS)を比較すると,NLR<2.25でPFSの中央値は393日,NLR≧2.25で中央値は199日であった(p=0.009).また,NLRはCRPと正の相関を認めた(r=0.525,p=0.016).NLR高値群のPFSはNLR低値群に対して不良であった.NLRは切除不能肝細胞癌に対する一次薬物治療において予後予測因子として有用である.