抄録
抗リン脂質抗体症候群の4人の患者についてキセノンCT法による脳血流量測定を行なった。一人は2回にわたり左頭頂葉と前頭葉の脳虚血をおこした。一人は右側頭葉に脳梗塞をおこした。他の二人はそれぞれ、上腸間膜動脈と深部静脈血栓症をおこした。神経学的症状を呈した前二者は、その相当する部位の脳血流の低下を認めた。しかし神経学的徴候を示さなかった後二者でも、放線冠、頭頂葉、側頭葉に脳血流の低下を認めた。抗リン脂質抗体症候群の患者では、症状の発現までには至らないが、徐々に進行する脳血栓症が、慢性の脳虚血を引き起こす可能性があると考えられた。