抄録
症例は70才、女性、右三又神経痛にて来院した。頭部単純CTでは橋前面にhigh densityな腫瘤を認め、MRIではTl強調画像で高から等信号領域、T2強調画像で低信号領域であった。手術が施行され、類表皮嚢胞であることが確認された。嚢胞内容物は古い血腫と脂質の混在したものであった。T1強調画像による高から等信号領域は脂質とメトヘモグロビンによるものであり、T2強調画像による低信号領域はヘモヂデリンによるものと思われた。これらMRIによる所見は一般的な類表皮嚢胞のものと一致しなかった。類表皮嚢胞に特異的なMRI所見はなく、診断時には注意を要すると思われた。