抄録
脳膿瘍脳室穿破例3例を報告し治療法に関し検討を行った.感染源は敗血症,先天性心疾患,不明が各々1例で,2例では連鎖球菌,1例ではグラム陰性桿菌が起炎菌であった.3例共に入院前に脳室穿破を来しており,意識障害を呈していた.全例脳室ドレナージを設置し脳室洗浄と同時に抗生物質を脳室内に直接投与した.2例では膿瘍に対する穿刺吸引も行った,1例では抗生物質を含む人工髄液にて脳室潅流を行った.この結果1例ではコルサコフ症候群を残したが,他の2例は社会復帰可能であった.脳膿瘍の脳室穿破例ではごく早期よりの積極的な脳室ドレナージと抗生物質の脳室内投与が重要と考えられた.