抄録
Cusimanoらは、pseudo-cerebrospinal fluid(CSF)rhinorrheaという病態を初めて報告したが、我々も同様の一例を経験したので報告した。症例は41歳女性。右三叉神経第1枝領域の知覚鈍麻を主訴とし、petrous先端部に腫瘍性病変(tentorial meningioma)を認めた。transpetrosal approachによるpetrosectomyの際、greater superficial petrosal nerve(GSPN)は切断したが、術後2週間後より患側のrhinorrheaを謹める様になった.Pseudo-CSF rhinorrheaは、GSPNの切断により自律神経系がアンバランスとなり何らかのhypersensitivityが生じ粘液分泌亢進が起こると考えられた。頭蓋底手術に際し、注意すべき一病態と思われた.