1999 年 39 巻 11 号 p. 762-765
Calcifying pseudotumor of the neural axisは、従来brain stoneあるいはcerehral calcnliとして知られてきた。痙攣発作で発症した22歳女性の症例を報告する。神経学的には異常はなかった。頭部X線検査で球形の石灰化病変が右頭頂部に見られた。頭部CT検査では病変部は脳内にあり、骨内板とは接してなかった。術中所見でも脳内に埋没する境界明瞭な腫瘍を確認した。病理組織では石灰化組織とそれを取り囲むepithelioid cellが見られた。免疫組織化学的検討ではepithelioid cellはVim陽性、GFAP、EMA、actin陰性であった。術後8年を経過するが、患者は痙攣もなく元気である。鑑別疾患を含め文献的考察を加えて報告した。