抄録
多発性脊髄髄膜嚢胞を合併したEhlers-Danbs症候群の一例を報告した.症例は40歳女性.主訴は左下肢に放散する下腹部痛.前仙骨部後腹腹腔に多発性の髄膜嚢胞を認めた.当初椎弓切除にて嚢胞閉鎖を試み,拡大した硬膜根嚢部を充填閉鎖したが腫瘤は縮小せず,再度開腹術にて腫瘤の縫縮を行った.これにより症状は軽快したが,術後創傷治癒が遷延し腹壁ヘルニアとなり,また合併した頚椎病変に長期臥床による筋萎縮が加わり一時四肢麻痺の状態となった.Ehlers-Danbs症候群では,創傷治癒に問題があること,合併疾患を有することから,術前の詳細な評価とより低侵襲の治療が必要と考えられた.