抄録
脳卒中患者のための低体温療法ベッドシステムを考案し、くも膜下出血、高血圧性脳出血、または塞栓性内頚動脈閉塞の6症例に軽度低体温療法(33-35℃)を適応した。ベッドに人工呼吸器、冷却機、生理学的モニター機器、蓄電池などを搭載した。膀胱温をモニターし、冷却水循環式マットによる表面冷却とコンピュータ制御により深部温を維持した。低体温療法中、患者移送や、CTスキャン、ポジトロンCTといった放射線学的検査が容易かつ安全に行えた。膀胱温実測値と目標温設定値との差は、約±0.1℃の範囲内であった。今回の低体温療法ベッドシステムは、頻回の放射線学的検査を必要とする脳卒中患者に有用と考えられた。