農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
夏柑の形態と果汁成分の時季的変化に就いて
服部 達彦
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1955 年 2 巻 4 号 p. 151-155

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抄録
柑橘類の生長に伴う果実成分の変化については既に欧米に於て多数発表きれており1)2)15),吾が国に於ても夏柑については小松氏等3)4)5)の生化学的研究,最近では果汁の製造を目的とした野村氏6)7)8)の報告がある。尚温州及び夏柑について主に農学方面での研究が既に行われておる13)が詳細な報告は未だ見ていない。果実の生長は産地,気候,風土,肥培条件の他に一本の樹について見ても結果の位置及び状態によつて皆夫々異つて来るので限られた試料の分析結果を以つてそのまま全体を判断することは避けなければならない。併し乍ら和歌山県内,特に日高郡の夏柑にその主原料を求めている当社に於ては,此の地域内の夏柑について調査することは品質管理の面にも大いに参考になると考えられる。
そこで当研究室では,1952年11月より1953年6月迄,8ヶ月間にわたつて近傍の柑橘園の夏柑樹3本を選定し,諸成分の測定を行い,生長に伴う変化と樹別による差違を観察し,今迄に発表された実験結果との比較を行つたので報告する。
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